皆様はじめまして、fukunomo実行委員会の松岡と申します。主に当企画のお酒選びを担当しています。今回皆様にお届けさせて頂いた大七酒造『雪しぼり』は完全なる私・松岡の独断と偏見で選ばせて頂きました。好きにしなさいと言ってくれたfukunomoの他のメンバーには感謝しています。
どういう独断と偏見か?それは
「春!大七!生酛!新酒!うおーーー!!」
に尽きます。我ながらひどい。でも、おめでたい第1回配信に当たってこのおめでたさを分かりやすく皆様にお届けできればと思いました。
しかしながら、大七酒造の社長からもこの話をお聞きしたのですが、そもそも生酛造りは新酒にあまり向きません。もっとそもそも論を言いますと、醸造酒というものが製法上新酒に向いていないんです。新酒(ヌーボー)というのは絞ったそのままのお酒を飲むものです。でも、お酒は絞ったそのままの状態ではまだ未完成。絞ってから更に熟成させ、味をまろやかに向上させる必要があるのです。
生酛造りは日本酒の製法の中で最も古いもので、最も微生物が複雑に増殖します。そのため、特定の味を作り出すコントロールが非常に難しい。生酛の絞りたてそのままで美味しいお酒を造るのは至難の業です。大七酒造は生酛しかやらない蔵なので、その辺りのことをよくご存知でした。大七は長く新酒を出さない蔵でもあったのです。
その大七が万難を排して出してくれた新酒・雪しぼり。「新酒はあまりおいしくない」と言い放つ蔵が満を持して出した新酒。瓶を開けた瞬間にふわっとした咲きたての花のような香りが周囲に漂い、舌にのせると目が覚めるほどはっきりとしたフルーティーでフレッシュな味わいが広がります。まさに脳内に思い描かれた理想の新酒。なんだよ大七さん、新酒おいしいじゃん!!
原酒なのでアルコール度数がやや高めです。お酒に弱い方は水割りか、お水を飲みながらお楽しみください。ただ、アルコール度数の割にはかなり飲みやすいお酒でもあります。飲み過ぎにはご注意ください。
では、楽しい日本酒ライフを!