長年「オジサンが飲むもの」のイメージが強かった日本酒ですが、最近は飲みやすい銘柄も多く出てきています。
それはとてもいいことですが、中には飲みやすい日本酒で初心者を酔い潰そうとしてくる悪い人もいるようです。
「え~怖いので一緒に飲むのイヤです☆」とはっきり断れたらいいのですが、そうはいかない場合もあります。
その時のために、美味しいお酒をしっかり楽しみつつ酔い潰されない方法をまとめました。
1. お酒を飲むときは必ず倍量の水を飲む
日本酒を飲む場合、飲んだ日本酒の倍量の水を飲むと悪酔いしなくなります。この水は「和らぎ水」と呼ばれ、多くの酒蔵や酒造組合で推奨されています。
例えばInternational Wine Challenge等で世界的な賞を受賞されているほまれ酒造の唐橋社長もご自分で実践されており、テイスティングセミナーでは必ず勧めるほど。中には日本酒と水を一緒に飲むのが邪道と言う人もいますが、完全なウソです。日本酒は原酒でない限り水割りされており、水と日本酒は味の上でも密接な関係があるものなのです。
和らぎ水には悪酔いしなくなるという効果のほか、口の中をリセットしてお酒の味をわかりやすくするという効果もあります。また、身体の水分代謝を高めて健康や美容にも効果があると言われています。
「酔い潰されないためにお水を飲みます」と言えない場合は
- お酒の味をしっかり味わうために水を飲む。この方法は多くの酒蔵が推奨している
- 美容や健康のために水を飲んでいる
と、ポジティブな部分を強調して堂々とお水を飲みましょう。
2. 宅飲みで己の限界を知っておく
普段ビールやワイン、梅酒などを飲んでいても、日本酒を飲みなれない場合はなかなか自分の限界が分からないもの。多くの場合ビールや梅酒がアルコール度数10%以下、ワインがアルコール度数14%以下なのですが、日本酒のアルコール度数は16%程度、原酒になると18%にもなるお酒もあります。日本酒のアルコール度数は他のお酒よりやや高めです。
更に大事なのは、飲みやすさとアルコール度数はほとんど関係ありません。スルスル飲めるから弱いお酒だと思っていたら、本当は18%も度数があるお酒だった~!ということもよくあります。
こうしたスルスル飲めるお酒の多くが「純米大吟醸」と呼ばれるお酒です。日本酒の華であるフルーティーな香りや上品な甘さを楽しめるとても素晴らしいお酒なのですが、そのあまりの飲みやすさに残念ながら悪意ある使われ方をする可能性があります。
日本酒を普段飲まない方は一度、家でこうしたお酒を飲んでみるといいでしょう。その飲みやすさと危険さをあらかじめ知っておくと、外で飲むときに限界を察知できます。
純米大吟醸は多くの種類が出ていますが、大体1本3000円程度で購入できます。奥の松酒造の純米大吟醸は特に初心者でも飲みやすく、買いやすい価格帯です。
3. 味だけでなく香りをゆっくり楽しむ
前の記事でもご紹介しましたが、日本酒の特徴は香りに大きく出ます。単にゴクゴクとのむだけでなく、舌に乗せてゆっくり味と香りを楽しむと自然に飲むペースが落ち、悪酔いを防ぎます。
これは利き酒師も行っている飲み方で、お酒好きな人ならごく自然な方法です。
早いペースでどんどん飲むよう勧められたら
「おいしいお酒だからじっくり味わって飲みたい」
「こんなにいいお酒を教えてもらってありがとう、もったいないからゆっくり飲みます」
と強調し、あくまでマイペースを保ちましょう。
香りを楽しみながらお酒を飲むと満足感が上がり、ついつい量を飲んでしまうこともなくなります。逆に香りが分かりづらいと思うようになったら飲み過ぎのシグナルかもしれません。切り上げるタイミングを探りましょう。
4. あえて燗酒で相手にも満足感を
もしある程度日本酒になれている方なら、あえて自分から燗酒を提案するのも手です。
お酒を温めた燗酒は酔いが速く回るように思いますが、それは温められたアルコールが素早く身体に吸収されるから。少ない量のお酒でたくさんのお酒を飲んだような満足感が得られ、かつ代謝が高まるのでお酒が抜けるスピードも速くなります。
自分が酔ったらすぐに気づくことができ、気がつかないうちにグデングデンになるのを防ぐ効果もあります。
日本酒の通は燗酒にも詳しいもの。もし相手が日本酒好きをアピールしているなら
「へー、じゃあ燗酒にも詳しいんですね!色々教えてください」
と燗酒に持ち込み、相手がいい気分になったところで
「今日はもう酔っちゃいましたー、ありがとうございました☆」
とサクッと撤退しましょう。
日本酒は楽しく安全に飲むのが一番です。fukunomoはよいお酒との出会いを応援しています。