皆様こんばんは。fukunomoの松岡です。今回皆様にお届けいたしましたお酒は名倉山酒造様から「純米吟醸 月弓かほり」です。
このお酒はぜひ9月に飲んでいただきたいと思い選びました。理由はラベルがお月様だからです。相変わらず小学生みたいですみません。でも、このお酒は月夜に楽しんでもらいたいということで月弓と名付けられたそうです。よかった、ラベルに意味あった。
初心者向けの日本酒として、よく「甘くてフルーティー」なものがおすすめされます。でも、その実態は千差万別。日本酒の甘さ・フルーティーさはリンゴ、メロン、洋ナシ、バナナ、パイナップル、オレンジ、イチゴ、マンゴー、パパイヤと実に多様な果物に例えられます。
なぜ同じお米からここまで多様な風味が生まれるのか? それは米をお酒にする立役者である酵母のおかげです。酵母がお米を発酵させていく過程で様々な香り成分を生み出していくのですが、どのような成分を生み出すかは酵母の種類によって異なります。そして、その香りの差異はきわめて微妙で繊細なもの。同じ酵母を使ったからといって、常に同じ香りになるとも限りません。
それでも、名倉山さんほどの醸造技術があれば難しい香りの調整もなんのその。甘さと香りのバランスは、まるで精巧な和菓子のよう。「甘口」のマイナスイメージにあるしつこさが全くありません。さすが「賞は取りに行くもの」と仰るほどの酒蔵だけあります。口に含むと和三盆のような涼やかな甘みが舌に広がり、熟れたマンゴーのような匂いがフワッと鼻を抜けていく……なるほど、これが幾多の審査員が酔いしれた「きれいなあまさ」か!
ほんのりとした上品な甘さと南国の果実を思わせる匂いは飲みやすく、飽きることがありません。味噌や砂糖を加えたお醤油など、和菓子に使われる調味料との相性も良好。もちろん、美しい秋の月を眺めつつ、お酒本来の風味もじっくりお楽しみください。
では、楽しい日本酒ライフを!
吟醸酒ならではのすっきりした甘さと華やかな香りが特徴のお酒です。よく冷やしてお召し上がりください。