今月のお酒は「山の井 60」
今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さん(@sake_kaeru)が、fukunomoを体験しての感想および紹介文を寄稿してくださいました!
今月のお酒は、南会津町の旧田島町に位置する会津酒造さんから『山の井 60』。裏書きには「感じるままに飲んでください」と一行だけ、造り手からのメッセージがある特徴的なお酒です。
林さんはどのように感じたのでしょうか。それではご覧ください!
※写真はfukunomo編集部撮影のものとなります。
【連載第16回目】
みなさま、こんばんは。2月も立春が過ぎ、半ばも過ぎて、いよいよ春が近づいてきましたね。(*´▽`*)
…とはいえ東北にある福島はまだまだ寒い日が続きます。そんな夜に身も心もじんわり温めてくれるのは、やっぱりfukunomoのお酒! 今月もまた、わくわく、どきどき。届いてからのお楽しみ!が待っています。張り切って飲んでまいりましょう♪
今月のお酒は、会津の中でもさらに雪深い奥会津、南会津郡南会津町で元禄年間から続く老舗、「会津酒造」さんより「山の井60」をお届けします。
会津酒造さんも含め、南会津地域は昔から、全体的に飲み飽きない味わいのお酒が多い地域です。それでいながら、飲めば飲むほど、舐めれば舐めるほどに米の旨味がジワジワと心地よく滲み出てくるという、まるでスルメや昆布のような、思わず何度でも繰り返し啜りたくなるような旨口のお酒揃いなのです。
おそらく風土や歴史、文化がそうさせたのかもしれませんが、たとえるならば、雪深く、長い長い夜の時間に囲炉裏を囲んで寛ぎながら、じっくりと語り合うような場にピッタリなお酒がたくさん。ですから、旨い酒がひしめいている福島県内でも、南会津地域の酒には昔から根強いファンが特に多く、垂涎のお酒がよりどりみどり!
ましてや、今月お届けする「山の井」シリーズは、この地域の酒の旨さをしっかり!と受け継ぎつつも、最先端の醸造技術を学んだ若き跡取りが「自由な発想で造る」として取り組んでいる新しいお酒。生産量が決して多くない会津酒造さんの中でも、1割程度しか造られていない希少な酒です。これは南会津までわざわざ買いに行く価値も充分であろうもの!
…とはいえ、それでもこの雪の時期に、奥会津まで行くのは、やはりハードルが高めなのは事実。(´・ω・`)
しかしご安心ください。みなさまにはfukunomoがあるではありませんか!こんな寒い2月に、自宅にいながら会津酒造さんの上等なお酒とおつまみが楽しめるのは、やっぱりfukunomoならではだったりします。
では、今月も味わってまいりましょう。ラベルの裏をみると、「感じるままに飲んでください」。敢えて細かい説明は無し。ちょっと「粋」を感じるとともに、なんとも言えない期待が高まります。
カリ…っとキャップを捻って、いよいよ開栓。わくわくしますね。いただきまーす。(*´▽`*)
まず一口目にくるのは、少し強めの酸味。昔ながらの会津酒造さんのお酒に比べると、かなり透明感のある、澄んだ味わいを感じます。その直後に鼻に抜けるのは、まるで樹齢を重ねた針葉樹のような、深山の「蒼」や「翠」をイメージさせる、ややウッディな香り高さ。それはまるで、南会津の凛とした清廉な自然と湧水、木々の薫りを瓶の中いっぱいに詰め込んだような感覚です。
上質な香水のようなアロマ感がありながらも、かすかな苦みでキリ…っと味全体にひきしまった輪郭がすぅ…っと立ち、しっとりとした深いコクと余韻が続く。このコク味と余韻の一端には、昔ながらの南会津の酒「らしさ」のようなものも。
ときおり走る、清流の水面で光が煌めくような華やかさ。マスカットにも似た瑞々しい甘さをうっすらと感じさせつつも、なめらかでスムースな口当たり。最後には再び、爽やかな酸味が吹き抜ける…。
複雑な香りや味わい、酸味、甘味、苦味、さまざまな要素が掛け合わさって調和をみる、見事な酒です。伝統の味わいがありながらも、より透明感と躍動感を演出させた、新しい作品。流石ですね。
ではでは、この南会津の至高の味わいに、今月もペアリングを合わせてみましょう。
今月のマリアージュ/ペアリングセットは
・山うど油炒め
・茸くらべ
・リエット
・味付けゆでたまご
・かりんとうまんじゅう
今回のおつまみとして面白いのは、『山うど油炒め』。現在は会津酒造さんのご近所の「渡部なめこ店」でしか販売されていないという幻の味であり、蔵元にとってもイチオシのソウルフードであるとのこと。私も初めての実食です。
一口かじってみると、これがなんともシャキシャキでジューシーな歯ごたえの上質な山うど。今回のものはかなりしっかりとした強めの味付けですね。
最初に炒め油の甘辛さ、噛むと広がる塩辛さ。山うど自身が持つ、アクセントとなる山菜ならではの渋味と苦味。いずれもかなり味の主張が強い。そこに山の井さんの少し強めの酸味をあわせると…それぞれの味が口のなかいっぱいにダイナミックに広がります。ジューシーで、さまざまな味が一気にほとばしる。
最初はこの力強さに少しびっくりするのですが、お酒と交互に合わせていくと、不思議な調和がとれていきます。ここに、さらに同じ南会津郡内にある只見町からの「茸(きのこ)くらべ」も加えてみると、ほのかに甘い、とろっとろのなめこ、ひらたけ、舞茸が絡み合って、さらに味わいは賑やかに! 舌触りもなめらかになって、より食べやすくなります。
美味しい。面白い。
まるで、自然の中で山と川とが交じりあうかのよう。まさに山々の恵みを満喫!という感じ。これは普通、現地にいかないと楽しめない…というか、発想すら出てきませんよ…。
続いては『リエット』を合わせてみます。
今回の『リエット』も、fukunomoではおなじみになってきた泉崎村の「夢味ポーク」。ここの製品はドイツ食肉加工国際コンテストで金メダル受賞経験もあり直営店以外では基本的に手に入らない逸品です。
これをお酒と合わせると、上質な夢味ポーク豚肉の脂のまろやかな甘味と胡椒のスパイシーさがお酒に溶け出してきて、柔らかに、トロトロに。ええ、もう、トロットロに、口の中を彩っていきます。これも、とっても美味しい。やばい。お酒の減りが早い…。(*´▽`*)
それにしても、ウッディでスパイシー、ややスイートなアロマ…などと、今回も先月に引き続き、我ながらまるでウィスキーのレポートをしているかのような表現が続きますね。
…というのも。先月も今月も、単調さや平凡さとは無縁の、世界的なレベルでの新しい日本酒、そしてそれに合わせる新しいペアリングを先行的に体験しているようなものであり。(なにせ、いまや福島は鑑評会で前代未聞の6年連続日本一を続けているような、インターナショナルワインチャレンジで世界一の酒を出してしまうような。いわばワインでいうボルドーやブルゴーニュに相当する世界的な名醸造地なのです。)fukunomoが発掘してくる福島の最先端の酒の味わいや香りが、とてもバラエティと可能性に富んでいるからなのです。
あまり一般的には知られていませんが、そもそも日本酒自体、実は様々なお酒の中でも特に多様な香りや味わいを内在しているものではあるのです。その中でも特にfukunomoのセットはいつも、ちゃんと王道的なセオリーの要所は踏襲しながらも、これがなかなか、ありきたりな無難さには走らない。お酒にもおつまみにも、常にストーリーや起伏、新たな可能性を創り出そうとする野心的な設計を感じさせずにはいられないのです。
もちろん、そのメッセージをどう受け取り解釈するかは限りなく自由で、愉しみ方もその飲み手によるのだけれども。少なくとも、日々の晩酌に、ほんのり非日常感を与えてくれることだけは確かといえるでしょう。
もちろん誰でも気軽に楽しむことができるのだけれど、決して「入門者」「万能」向けにありきたりなセットをまとめているのではない。むしろ、時代の最先端の味わいや可能性をいち早く体験できる。それがfukunomoの大きな魅力の一つでもあります。案外、こういうのってありそうで無いサービスですよ?
さて、お酒ときのこで語り口もだんだん滑らかになってきたところで(笑)
続きをいきましょう♪
続いては、『味付ゆでたまご』。阿武隈高原南部の浅川町からです。
このたまごは、黄身がほんのり半熟気味の理想的な茹で上がり。絶妙な和風の味わいがしっかりと沁みていて、本当に美味しい煮卵ですね。しょっぱすぎない。なのに、絶妙な味の沁み方。和風の味付け煮卵として、私にとってはパーフェクトです。
当然、お酒に合わせても、たとえば「完璧な味付けのおでんの卵が、理想的な半熟具合の食感でやってきた!」と聞いて、これが合わないわけがないのです。優しく甘い味わいも、今までのおつまみの起伏の激しさに対して箸休め的な楽しみ方もできます。
そして最後の〆は、福島県、会津地方を代表するお菓子の太郎庵さんから、『かりんとうまんじゅう』。直営店限定販売の商品なので、これもやはり、会津地方にいかないと通常は味わえない品。お土産好適品ですね。これも実際に出かけなくても、fukunomoならばお手元に届きます
前回も〆は福島銘菓のお饅頭でしたが、今回も会津銘菓のお饅頭。地元でも人気の一品は、食事はもちろん、お酒の後のデザートとしてもバッチリです。ちょっと甘いものあると、最後の〆はありがたいんですよね。
そうそう、お酒の最後の〆といえば古式ゆかしくは「ラーメン」なのですが。
実は今回のセット、かなりの部分がラーメンに合わせることもできる感じなんですよね…。
シャキシャキした歯ごたえの「山うど油炒め」は、ちょっとだけほろ苦いメンマのように。
「リエット」は、崩しチャーシューのように。
「味付ゆでたまご」は、ラーメンに入れても理想的な煮卵で。
なんなら、「茸くらべ」だって入れたら美味しいに違いありません。
もしおつまみが少し残った状態で〆のラーメンが恋しくなったら、こんな風に合わせてしまうのも一興かもしれませんね。fukunomoが用意した可能性をさらに広げて楽しむことができるのも、愛好者の特権なのですから♪
今月も、ごちそうさまでした! レポート書いている間に4合瓶全部飲み切っちゃったよ…。(*ノωノ)
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詳しくは、fukunomoホームページからお問い合わせ下さい。お待ちしています。(*´▽`*)