今月のお酒は「ハツユキソウ Clear」
今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さん(@SiganaiKaeru)が、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!
2021年7月号は、蜂蜜を使ったミードで有名な喜多方市の峰の雪酒造場さんからお届けする「ハツユキソウ Clear」です。
【連載第35回目】
梅雨空が続く日々ですが、福島の山間部では、夕方と早朝にヒグラシがなく声も聞こえてきました。少しずつ夏が近づいてきましたね。
さて、今月のfukunomoは、喜多方市の峰の雪酒造場さんから「ハツユキソウ Clear」。その名は丁度この時期、夏に花期を迎える草花からとられています。
ハツユキソウは、可憐な白い花。しかも花だけでなく、周囲の葉も美しい白に縁取られています。まるで初雪が降り積もったかのように見えるその姿が、「ハツユキソウ」の名の由来なんだとか。なんとも風流で、清涼感を感じさせてくれる響きですね。
今月は、私も初めて飲むお酒です。早速楽しんでいきましょう!
■今月の美酒
・ハツユキソウ Clear<喜多方市/峰の雪酒造場>
少し洒落た雰囲気のボトルを開けると広がるのは、まさにハツユキソウのイメージ。可憐な花のような優しい香りがふわっと立ち上ります。これは、同じ峰の雪酒造場さんが造るミード(蜂蜜酒)にも似た気配がありますね。
しかし、このお酒で何より特筆すべきは、口に含んだ瞬間に駆け抜ける、あまりにも爽やかな涼感と喉越し。まるで季節外れの雪が淡く融ける瞬間のような、あるいは清流の瑞々しいせせらぎのよう。「水以上に理想的な清水」とでも表現すべきでしょうか。驚くほど、すぅ…っと静かに、身体に沁み渡っていきます。
飲む程に「これでもか」という程、強く強く美味しいと感じさせてくれるのに、そこには強すぎる味の主張も、甘ったるさも、いわゆる「辛口」的なキツさも全く無い。濃すぎない。薄すぎない。とても優しい味と口当たり。「飲み疲れ」みたいなものがほとんど感じられないのです。
そう。まさに「心地良い」という感覚が最も似合います。絶妙の心地良さが流れる至福の時間。他の酒造が造る酒とは明らかに一線を画した唯一無二の個性。
まさにありそうで無かった、「夏の暑い日にこういう飲み物が欲しかった」、夢に見た夏酒と言えるかも知れません。よくぞ、こんなに美味しいお酒を発明してくださいました。これをいち早く味わえるfukunomoユーザーの方は幸せですよ?? このお酒、あまりの心地良さにグイグイと飲めてしまう訳ですが、敢えて口の中に長く留めて味をじっくり堪能してみると、奥行きある複雑な味わいも相当強く感じさせてくれます。マスカットに近いほのかな甘味と白ワインのような風味が印象的で、まさに「ライスワイン」と呼ぶべき新しい日本酒。ペアリングも捗りそうですね!
今月のマリアージュ/ペアリングセットは
- ボーノ棒<福島県いわき市/貴千>
- つまんでよいよいチーズ<福島県河沼郡会津坂下町/会津中央乳業株式会社>
- 塩ゆでうまピー<福島県喜多方市/おくや>
- 5種の白ワインピクルス<福島県伊達市/八島食品>
- 福島県産桃<福島県福島市/ABE果樹園>
・ボーノ棒
それでは、今回もペアリングを楽しんでいきましょう。まず最初は、いわき市小名浜の蒲鉾店「貴千」さんの名物「ボーノ棒」。かまぼこを洋風アレンジにすることで、日本酒はもとより白ワインなどにも美味しく合わせられる一品です。まさに今回の「ハツユキソウ Clear」の酒質にもピッタリですね。
なお「ボーノ」というのは、イタリア語の「美味しい」ですね。直訳すると「うまい棒」。んん…? どこかで聞いたことある名前のような…?
ボーノ棒にはいくつか味のバリエーションがあるのですが、今回頂いたのはチーズ&バジルチキン味。バジルの香味とチーズのコク、チキンの旨味それぞれがお酒の淡い香りと交じり合って、とても美味しい。
特に、今回のハツユキソウと合わせると、日本酒ならではの米の旨味にはかまぼこ生地が、白ワインに似た印象を感じさせる甘味と風味にはバジルやチーズ、チキンがそれぞれに強く絡んで重なり合い、絶妙なハーモニーを醸し出します。これは、最初の一品目からペアリングの良さが随分わかりやすく出てきますね。絶妙の組み合わせです。
・つまんでよいよいチーズ
「べこの乳」ブランドで知られる、会津中央乳業の「つまんでよいよいチーズ」というストリングチーズ。いわゆる、割けるチーズです。ただ、一般的な割けるチーズと比べると、明らかにやわらかでしっとり。何より、もちもち。「低温殺菌した生乳を乳酸発酵させた」のが良くわかる、芳醇で優しいコク味と自然の酸味が魅力です。
世の中に「生ビール」「生酒」など「生」をブランドとする商品は数多くあれど、このチーズのしっとり感は、いわば「生」チーズと呼ぶに相応しい味わい。モッサリ感が一切無い、まるで搾りたての新鮮な生乳のような爽やかさをそのまま濃縮させた印象です。
こちらのペアリングは、チーズのもちもちの食感とコク味、酸味それぞれが、お酒が元々持っている味と風味をより強く引き立てつつ、ジューシーさを加える印象。トマトにモッツァレラチーズを合わせたときのように、お酒はより瑞々しく、チーズはさらに旨味が強くなります。これは美味しいですね。
・塩ゆでうまピー
同じ喜多方から、塩ゆでうまピー。地元会津産落花生を塩ゆでにした商品です。
食べてみると、びっくりするくらいに、しっとりしてホクホク。
これはピーナッツでありながら、「枝豆」に限りなく近い食感です。それも、冷凍品を解凍したものでもなく、生の枝豆を茹でたばかりの感覚により近い。
これは完全に、乾物のピーナッツとは全くの別物ですね。豆本来の旨味をしみじみと味わいながら、じっくり噛んで味わうほどに美味しい。
ピーナッツ含めた豆類は日本酒には当然合いますが、特にワインに似た今回のハツユキソウ相手だと、この「塩ゆでうまピー」は枝豆以上に大ヒット。落花生特有の香ばしさとほのかな渋味、苦味がちょうど良いアクセントとなって、食事全体を引き立ててくれます。
・5種の白ワインピクルス
少し強めの酸味がとても心地よいフレッシュピクルスを白ワイン風味と共に。 シャキシャキの野菜の食感とビネガーの組み合わせには一貫した爽やかさがあって酒質と非常に良く合いますね。さらに一際強めの酸味がペアリングに緩急を添えてもくれます。少しアルコールが回って身体が火照ってきたころに合わせると、より魅力的に。
・福島県産桃(あかつき)
全国有数の果物名産地である福島。中でもこの時期は、特に人気が高い桃が出始める季節です。
ジューシーな桃を口に含みながら酒を飲むと、これはもはや、口の中で完成させるカクテル。いわゆる、ニコラシカ(砂糖を乗せたスライスレモンを齧りながらブランデーを飲むカクテル)のようなものです。
お酒の瑞々しくも上品で淡い香りと味わいの中に加わる、同じく瑞々しい旬の桃の溢れ出る果汁と果肉。これらの生命力同士がぶつかり合い、弾けんばかりの躍動感ある味わいに仕上がります。なんて贅沢なカクテルでしょうか!
これはもはや、「最後の〆の甘味」などという落ち着いたものではありません。最後の最後に、なんてものを仕掛けてくれたんですか、fukunomoさん。これはスゴいペアリングですよ??
ニコラシカが世界中でカクテルとして認められているならば、この組み合わせもまた、カクテルとして記録されるべきでは…? と思えるほどの逸品です。この出逢いはスゴい。期待を超えていました。
今回のfukunomoのお酒とペアリングに全体に感じた印象は、一言で言うと「生鮮感」。
お酒もおつまみも、いずれも瑞々しさ感にあふれた品々ばかりで梅雨から初夏にかけて楽しむのにあまりに相応しい爽やかさでいっぱいです。特に今回のお酒はまだほとんど知られていない秘蔵のお酒でもありますし、おすすめです。
なかなか外に飲みにお出かけ出来ない昨今、ぜひ、ご自宅にいながら福島の地酒と地の肴での乾杯とペアリングを楽しんでみてくださいね。今月も、ご馳走さまでした!
<fukunomoお申し込みのご案内>
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