今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!
2022年4月号は、会津若松市の花春酒造さんからお届けする「結芽の奏 純米大吟醸 フルーティー」です。
【連載第44回目】
百花繚乱の4月。福島でも厳しい冬の寒さが和らぎ、関東よりも少し遅めの春がやってきました。
そんな中、春の訪れと共にfukunomoから届いたのは会津若松市・花春酒造さんのお酒。
花春酒造さんは「会津の良さは、酒の良さ」というキャッチフレーズと共に県民の間で親しまれてきた福島県を代表する大手酒蔵の一つであり、かつての所在地が「会津若松市花春町」と、その名が町の名前になるほどの老舗です。
花春さんが醸す酒は、その名を体現したかのような「花のように可憐でやわらかな香りと口当たり」が大きな魅力。中でも今回届いたのは、2019年4月に創業300周年を記念して第一弾が発売され好評を博していた新ブランド「結芽の奏」から、新しい第二弾「フルーティタイプ」。名前からして4月号に相応しい、華やかさと季節感を感じさせる1本ですね!期待と共に、今月も早速味わってまいりましょう!
■今月の美酒
・結芽の奏 純米大吟醸 フルーティー<福島県会津若松市|花春酒造店>
一口目から感じるのは、やはり期待を裏切らない華やかさ。
口いっぱいに広がる、完熟したマスクメロンを思わせる芳醇な香り。そこにしぼりたての柑橘をブレンドしたような風味。甘くてまろやか、蕩けるような口当たりも、まさに完熟メロンのそれを思わせます。一方、その甘さに続きオレンジビター、あるいは軽く絞ったライムを思わせる柑橘系のほのかな苦味も混じります。このアクセントが、「フルーティ」な芳醇さを一層引き立ててくれるのです。
その一方で、余韻への抜け方は意外な程にシャープ。
喉に抜けた後には甘ったるさを感じさせず、むしろ驚くほどにキレが良く、「淡麗辛口」な印象さえ残ります。この感覚は、たとえば白ワインのシャブリにも似ているかも知れません。そのまま楽しむのみならず、食中酒としても極めて秀逸と言えるでしょう。これはペアリングも楽しみ。
絢爛な華やかさと艶やかさ。それと同時に、凛とした気品ある佇まい。
この在り様は、まるで桜の花そのもの。
淡く優しく咲き誇り、世界を華やかに染め上げる。やがて風に舞い、儚く散る姿さえ美しい。まさに「花春」の名を体現した、1本のうちに重なり合った風流を感じさせる見事な作品です。花見酒としても相応しい。
しかも、この酒は「甘口」と称しながらも元来「甘口」と呼ばれてきた不自然に甘ったるい、酒飲みから敬遠されてきた甘口とは概念が全く異なります。ワインで言えば貴腐ワインにも通じるような価値を持つ、「甘口」への偏見を払拭してくれる1本だとさえ言えるでしょう。
このまま純粋にお酒だけを味わっても飽きずに飲み続けられるお酒ですが、今月もペアリングを楽しんでいきましょう。
今月のマリアージュ/ペアリングセットは
- 生ハムステーキ<福島県西白河郡泉崎村/自家精肉・手作りハム ノーベル>
- ふぞろいのエリンギ<福島県いわき市/有限会社ユウ 小川きのこ園>
- 山うど油炒め<福島県大沼郡会津美里町/有限会社カネマスクリキ食品>
- 会津のべこの乳発 つまんでよいよいチーズ<福島県河沼郡会津坂下町/会津中央乳業株式会社>
- 国産いちじくの甘露煮<福島県郡山市/きのこ総合センター株式会社>
・生ハムステーキ<福島県西白河郡泉崎村/自家精肉・手作りハム ノーベル>
・ふぞろいのエリンギ<福島県いわき市/有限会社ユウ 小川きのこ園>
今月のメインはfukunomoではおなじみの、泉崎村ノーベルさんの「夢味ポーク」を使った厚切り生ハムです。開封と共に、燻った心地良い香りが広がります。
生ハムなのでそのままでも食べられるのですが、敢えてフライパンで軽く炙ることで香りが一層強くなり、香ばしさと肉の旨味がますます染みだしてきます。
これを、あらかじめ火を通しておいた小川きのこ園のふぞろいのエリンギと合わせます。
小川きのこ園さんのエリンギは、手元に届いた時点で若干シナっとしているようにも見えますが、ご心配なく。実はコレ、含水率が低めに作られているからなんです。食べてみると、むしろ想像以上にシャッキリした口当たりと強い香りに少し驚くかも知れません。
小川きのこ園さんのエリンギは、天然杉のオガ粉から菌床を作られています。そのため、香りや舌触りが格段に増しているのです。
旨味たっぷりの炙り生ハムステーキと、香りと食感が強いエリンギ。これを結芽の奏と合わせると、優しくも芳醇な甘さが肉の旨味をさらに引き立て、燻製香とエリンギの香味、心地よい食感とが合わさり、実に絶妙です。
なお、結芽の奏は白ワイン「シャブリ」にも似た飲み口がありますので、このエリンギを牡蠣と合わせてオリーブオイル仕立てのアヒージョにしても美味しく楽しめます。
・山うど油炒め<福島県大沼郡会津美里町/有限会社カネマスクリキ食品>
続いては、こちらもお馴染み「山うど油炒め」。油炒めの甘味と旨味、うどの仄かな苦味がクセになる一品です。
「春は苦味を盛れ」との言い伝えもあるように、「苦味」は春のペアリングにこそ合わせたいアクセント。4月号に相応しい一品でもあります。
結芽の奏の甘味、旨味、滑らかさがそれぞれ山うどの油のそれと合わさり、酒と肴それぞれの苦味がほどよく絡み合う。塩気がさらに、酒をすすませる。つい、ぐいぐいと飲んでしまう組み合わせです。
・会津のべこの乳発 つまんでよいよいチーズ<福島県河沼郡会津坂下町/会津中央乳業株式会社>
・国産いちじくの甘露煮<福島県郡山市/きのこ総合センター株式会社>
最後は、「つまんでよいよいチーズ」と「国産いちじくの甘露煮」
チーズは、ワインのみならず日本酒にとっても美味しいペアリングの王道。会津中央乳業さんのチーズは、もともとが高級百貨店でも取り扱われる同社の芳醇な牛乳の旨味が生かされた贅沢な逸品で、お酒の肴としても秀逸です。
国産いちじくの甘露煮は、このお酒の「甘さ」「芳醇さ」にスポットを当て、その魅力をさらに突き詰めるおつまみと言えます。
いちじくは元々、ヨーロッパなどでは白ワイン用のおつまみとしてもポピュラー。これが、このお酒に合わないはずがありません。あらかじめ口に含んだお酒に甘露煮の強い甘さが溶け出して、結芽の奏が持っている香りと甘さが一層強化され、多幸感に包まれます。
さらに、これら2つのおつまみを同時に口の中に入れてあげると、さらなるペアリングが完成します。
国産いちじくの芳醇な甘さにチーズの爽やかさと酸味、お酒の香味と水分とが合わさって、「極めて香り高く、どこまでも上品で甘く、しかも爽やかで心地よく、溢れ出るばかりにジューシー」という素晴らしい饗宴が口の中で出来上がってしまうのです。
まさに、貴腐ワインを楽しむかのような贅沢。これこそペアリングの魅力とも言えるでしょう。
今回は、会津若松市の花春酒造さんから、春に相応しい一本として「結芽の奏 純米大吟醸 フルーティー」をご紹介させて頂きました。まさに、会津が誇る花と春。その醍醐味を楽しんで頂ければ幸いです。
今月も、ご馳走様でした!(*´▽`*)ノシ
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