今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!
【連載第47回目】
7月になって、福島では夕方にひぐらしの声も聞こえはじめました。この時期、夕涼みにひぐらしの声と共に愉しむ冷酒は実に風流ですね!
それにしても、毎日暑い日が続いております。しかし、こんな暑いときこそお酒が旨い!(もっとも、冬は冬で似たようなこと言ってた覚えもありますけどね)
■今月の美酒
・特別純米 乗丹坊<磐梯町/磐梯酒造株式会社>
今回は福島県内でも知る人ぞ知る隠れた銘酒の宝庫、磐梯酒造さんから「特別純米 乗丹坊」です。「乗丹坊」というのは平安時代末期のお坊さんの名前で、磐梯町に史跡がある慧日寺の衆徒頭だったのだとか。
磐梯酒造さんのお酒は、その1本1本が非常に手間のかかる昔ながらの製法で造られています。たとえば絞りの工程一つとっても、なんと二日間もかけて丁寧に絞られているのです!
当然、大量生産は難しいお酒になります。県外はもちろん、福島県内でも入手困難で貴重な銘柄と言えるでしょう。
一方、これだけの手間によって、醪から純粋かつ濃縮された旨味成分が得られるといいます。今回のお酒は、丁寧に醸し出される個性を存分に堪能できる一本!これを味わえるのは、さすがfukunomoですね!
それでは早速、味わってまいりましょう!
一口舐めて感じるのは、上等な蜂蜜を思わせるトロリとした芳醇な口当たり。まさに、醪からじっくりと丁寧に抽出され集められた旨味の塊と言えるでしょう。僅かに口に含んだだけでも、濃縮された風味が口の中一杯に一気に広がっていきます!
終始ほのかな甘さが残るものの、あくまでも柔らかで上品な風味。決してベタつくようなモッサリ感はありません。むしろ甘さ以上に、磐梯高原の野花を思わせる可憐な香り、そして爽やかな風のような口当たりと酸味が印象的です。これはー3℃での氷温熟成が効いているのでしょうか?
濃縮された芳醇さと爽やかさの両立。これはまるで、生命の水「エリクサー」。身体に沁み渡る、非常に素晴らしい味わいです!
さらに、この芳醇さはかなり味が強いおつまみとのペアリングにもしっかり応えてくれること請け合い。おつまみの意外なポテンシャルまで、強く引き出してくれるはず。早速、ペアリングも試してみましょう!
■今月のマリアージュ/ペアリングセット
・あおいち 毎日のさば味噌煮
<福島県いわき市/有限会社上野台豊商店>
・梅ザーサイ
<福島県郡山市/株式会社小田原屋>
・味付け玉こんにゃく
<福島県二本松市/有限会社安斎食品>
・そばの実 アーモンド
<福島県耶麻郡磐梯町/ばんだいファーム>
・福島県産 桃
<福島県伊達郡国見町/株式会社 陽と人>
・あおいち 毎日のさば味噌煮 <福島県いわき市/有限会社上野台豊商店>
脂がのった鯖を、旨味たっぷりの味噌で煮込んだ逸品。品質高い「常磐もの」を扱う上野台商店さんが見込んだ魚は、やはり貫禄ある品質です。
さて。このさばの旨味を口の中全体にたっぷりと染み渡らせたあと、期待と共に乗丹坊を口にしてみます。すると…
んん!やはり、この感覚。
強い旨味にお酒の強い旨味。旨味同士がぶつかりあって激しく脳を刺激してきます!
旨いという以上に、気持ちいい。さばや味噌の強いニオイも全て旨味として次々に襲い掛かってくる感覚。これは病みつきになりますね!
・梅ザーサイ <福島県郡山市/株式会社小田原屋>
この組み合わせに更にプラスで合わせたいのが、小田原屋さんの梅ザーサイ。シャッキリした食感と爽やかな梅の風味が、心地よいアクセントとして響きます。これは夏の食卓にピッタリの季節感も演出してくれますね。
それにしても、病みつきになった旨味の塊に、さらに箸休めのようにサポートするザーサイ。これは食材が残る限り無限にループできるやつでは。一気に食べてしまいそう。
・味付け玉こんにゃく <福島県二本松市/有限会社安斎食品>
続いて、味付け玉こんにゃく。
「玉こんにゃく」といいつつ、乱切りに近い一口サイズ。でも、こうすることでまんまるよりも味が染みやすく、食感も良い。お酒のおつまみにかなり寄せてありますね。
こんにゃく自体が美味しいのはもちろん、ダシの利いた漬けダレが絶妙!たっぷり使った白ごま風味、そして輪切り唐辛子のほのかな風味がとても心地良い一品です。
さらに、この漬けダレには別の楽しみ方も。
芳醇な乗丹坊で「出汁割り」にすると、絶妙な塩気と旨味、そして香味がたまらない、無敵の飲み物が爆誕するのです!低アルコールで飲みやすく、しかし芳醇な風味はそのまま。むしろ、出汁と絡み合ったペアリングは、それぞれの魅力を足し算ではなく掛け算的に引き出してくれます。冷やのまま楽しむのはもちろん、燗として温めても美味しい。ぜひ、試してみてください!
・そばの実 アーモンド <福島県耶麻郡磐梯町/ばんだいファーム>
カリカリにローストされたアーモンドと、心地良いザクザク食感の蕎麦の実。乗丹坊の芳醇さとの掛け合わせで、これらの香ばしさが一層、強調されます。
ペアリングによって、お酒にはウイスキーにも似た焙煎風味の魅力が加わり、アーモンドには乾物だけでは実現し得ないジューシーさがプラスされる。これはめちゃくちゃ美味しいし、クセになります。まさにペアリングの醍醐味ですね。
・福島県産 桃 <福島県伊達郡国見町/株式会社 陽と人>
最後の〆は、福島の象徴とでも言うべき旬の桃。
東京五輪ではソフトボールのアメリカ代表チームが福島で味わい、その品質を絶賛したという逸品。
世界に誇る名産品です。
乗丹坊は、桃との相性がかなり良いお酒。蜂蜜のような濃縮でトロリとした甘さは桃の風味を一層引き立ててくれます。そのまま食べて〆にするのはもちろんのこと、皮ごと切った桃を燗にした乗丹坊に合わせると、さらに香りが際立つサングリアに。
これは、ぜひ試してみてくださいね!
今回は、磐梯町から入手困難な地酒「乗丹坊」を楽しませて頂きました!
ペアリングの中でいくつか提案しましたが、乗丹坊の芳醇かつ透き通った風味は冷酒でも燗でも楽しめます。さらに、乗丹坊はアーモンドとのペアリングで、焙煎の香味とも相当合うことが判りました。これはたとえば、じっくり熟成させて古酒にしても絶対に美味しくなる予感しかしません!コッテリした中華料理や脂の旨味にも負けない力強さで、さらなるペアリングを楽しませてくれることでしょう。
今月も、ごちそうさまでした!(´▽`)ノシ
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