秋の夜長と余韻を愉しむオーセンティックな味わいは、全く色褪せることが無い。(2024年9月|夢心酒造株式会社) - fukunomo(フクノモ) ~福島からあなたへ 美酒と美肴のマリアージュ~

秋の夜長と余韻を愉しむオーセンティックな味わいは、全く色褪せることが無い。(2024年9月|夢心酒造株式会社)

今月も福島県在住のfukunomo愛好家である林 智裕さんが、fukunomoを体験しての感想&紹介をレポートしてくださいました!

 

【連載第73回目】

料理には「ファストフード」という言葉があるが、一つひとつの味にも「速さ」があると思う。

甘味、酸味、苦味、旨味、香味、脂味、温度、食感──。

触れた瞬間弾けるものから、囁くように沁み入るものまで。
同じ料理の似た風味でも、一つひとつの重さ、大きさ、形は違う。

細やかな欠片に分かれ、それぞれのリズムを刻む。星屑のように跳ね、散らばり、煌めく。
やがて旋律となり、一つの音楽になる。

それが、私にとっての「料理」あるいはお酒のイメージ。

「夢心」。聞けばその名は、酒造りの秘伝を夢枕の神に伝えられたが由来という。
まさに「神授」の酒だ。

爽快感ある飲み口。それから少し遅れ、重厚感漂うオーセンティックな風味が響く。
真珠のような白米からじっくり引き出した旨味。誘(いざな)う深淵なる口当たりとコク。

添えられる僅かな、小気味の良い苦味。
それが、この酒に私が感じる「音楽」。

この神楽が醸す極上のエクスペリエンスは、実に懐深き味わいは、何物にも代え難い。
「酒を呑む」その瞬間そのものをグラスに閉じ込めたまま、堪能できるかのようだ。

古き良き日本酒を現代に一層洗練させた──
そう感じさせる、丁寧に造り込まれた酒。

秋の夜長と余韻を愉しむオーセンティックな味わいは、全く色褪せることが無い。

 

■今月の美酒

・夢心 純米酒<福島県喜多方市/夢心酒造株式会社>

今回は、「夢心 純米酒」。

ビールで言う「キリンラガー生ビール」のような、しっかりした味わいの魅力がたまらない、じっくりと味わえる食中酒です。

今月も早速、「勝手にペアリング」から言ってみましょう!

 

勝手にペアリングを考えてみた

これはイメージ的に、「昭和レトロの御馳走晩酌」みたいなのを肴に考えてあげるとハマりそう。
一周回って新鮮な感動がある。

以前fukunomoでも飲んだ「又兵衛 いわき郷」に近いニュアンスもあるので、しっかりした味わいやニオイがある海の幸は、クセをそのままプラスに転換してくれて相性良いと思う。

イワシ、サンマ、イカ、タコなど。
たとえば炙ったイカやエイヒレなんかを合わせたら、絶対美味しいはず。
他に、青魚の味醂干しとかも良さそう。

あとは煮魚にしてもいいと思う。
地のものを使うなら、ドンコとかアイナメとかホウボウとかカナガシラとかの煮魚合わせたら最高だと思えるね。

また、脂の強さにも好相性。
ウィンナーソーセージが手元にあったので合わせたところ、肉汁を増幅させてくれる感覚があった。

この線でいくなら、じっくり炙った焼鳥とかも良さそうだね。
とにかく「炙り系」との相性は抜群。

この感じだと、燻製とかも行ける。
和風のみならず、ウィスキーに合う系のおつまみとも好相性に思える。

王道的な日本酒に定番の枝豆はもちろん、ピーナッツ類。
他には、炒り豆系もアリ。

他、豆腐なども良さそう。
漬物は、普通にどれでもイケる感覚がある。

甘味は餡子とか相性良いけど、意外にもクリーム系が合いそう。

試しに手元にあった「ノアール薄焼きミルククリーム」を合わせてみたら、外側の黒ビスケットの良さもさることながら、中の白クリームが膨らんでパフェを食べたような感覚に一瞬陥った。

そうはいいつつ、王道の餡子を合わせたらそれはそれでとても良い。
楢薪で江戸時代からの製法を変えていない二本松の玉嶋屋の、「玉羊羹」ではなく「本煉羊羹」なんかも合わせてみたいね。

それではいよいよ、今月のfukunomoペアリングにいってみましょう!

 

■今月のマリアージュ/ペアリングセット

・沖漬風ほたるいか
<福島県伊達市/株式会社中外フーズ>

・佃煮 胡麻さんま
<福島県いわき市/株式会社大川魚店>

・さんまのぽーぽー焼風蒲鉾
<福島県いわき市/株式会社貴千>

・黒胡麻れんこん
<福島県伊達市/山吉青果食品株式会社>

・スモークナッツ三姉妹
<福島県福島市/燻製工房 木香>

 

・沖漬風ほたるいか <福島県伊達市/株式会社中外フーズ>

珍味の分野で全国規模のメーカーさんである、伊達市の中外フーズさんから「沖漬風ほたるいか」。

fukunomoからのメモによれば、「船上凍結のほたるいかを沖漬風にしたもので、濃ゆい旨味を『夢心』に合わせると、更に増幅してくれる、これだけで一本空いてしまいそうなおつまみです」とのこと。

福島でほたるいかというのは意外でしたが、なるほど。
これは懐が深い夢心の味わいにピッタリ。

この酒の力強い風味は、一般的にはマイナスに捉えられがちなニオイを「消す」のではなく、「絶対値をそのままに、全て旨味に変換してしまう」力がとても強い。

つまり、溢れ出す旨味が止められなくなります。
語彙力が失われるくらいにヤバい。

たしかに、これだけで延々と飲み続けてしまいそう。

 

・佃煮 胡麻さんま <福島県いわき市/株式会社大川魚店>

そこに追い討ちをかけるように、今度は佃煮の胡麻さんま。

甘辛な漬けタレがしっかりと沁み込んでいるこれは、やはり少しフライパンで炙ってあげることでより美味しくなります。

炙って熱を持った秋刀魚が口の中でお酒を温め、そのお酒に秋刀魚の旨味が染み出してくる。
人肌の温度に染まった酒と共に、ゆっくり、じんわりと旨味が広がる感覚は、まさにこのお酒が持つ「速度」と歩調を合わせるかのような素晴らしいペアリングです。

それにしても、近年は大きくて脂がのった秋刀魚の入手が難しくなっている中、ここまで秋刀魚の旨味と魅力を引き出した佃煮は秀逸ですね。

「美味しかった昔の秋刀魚の味が恋しい」という方にも、このおつまみはおすすめです。

 

・さんまのぽーぽー焼風蒲鉾 <福島県いわき市/株式会社貴千>

続いては、福島県いわき市の郷土料理「さんまのポーポー焼き」をより手軽に味わえるよう開発されたという蒲鉾。

すり身の50%が秋刀魚という、今や贅沢な逸品です。
プライベートでも時々買ってます。

秀逸な食中酒である夢心純米酒は、基本的に「白いご飯に合うおかず」との相性が抜群。
当然、秋刀魚がご飯と合わない訳がありません。

そのまま食べられるこの蒲鉾も、やはり少し炙ってあげると一層美味しい。
更に、刻み生姜なんかを添えてあげても良い。

先ほどの佃煮胡麻さんまに比べると少しさっぱりするので、箸休め的にも使えますね。

同じ秋刀魚同士の食感や風味を食べ比べして、秋の旬を堪能できます。

 

・黒胡麻れんこん <福島県伊達市/山吉青果食品株式会社>

ここに合わせるのが、「黒胡麻れんこん」。
佃煮と合わせた黒胡麻風味に、レンコンの食感がたまりません。

特に、ここまでの柔らかい肴にれんこんが加わることで、風味のみならず食感の点でも非常に良いバランスになりますね。

何より、この黒胡麻れんこんはfukunomoに教えて貰ってから結構好物になってまして、これもプライベートで時々買ってます。

胡麻の風味とシャキシャキ感のコラボ、本当にクセになります。

 

・スモークナッツ三姉妹 <福島県福島市/燻製工房 木香>

最後は、福島市の燻製工房 木香から「スモークナッツ三姉妹」。

ナッツや燻製風味が合うとは思ってましたが、想像通り。

風味のみならず、ウィスキーのようにゆったりと時間をかけて楽しむのが似合う夢心の風味と燻製ナッツも「速度」の足並みが揃いやすく好相性で、双方の魅力が一層引き立ちます。

 

酒ハイ

そして最後は肴とのペアリングではないのですが、「日本酒造組合中央会」などが提案しているのが、お酒と炭酸水を1:1で割った「酒ハイ」とのこと。

特に「夢心 純米酒」はウィスキーを思わせるしっかりした味わいがあるので、炭酸で割ってもコクが充分に残ります。

さらに爽快感がかなり高まるので、一層飲みやすくなる。
私もやってみましたが、残暑残る今の季節の飲み方としてピッタリでしたのでおすすめです。

他に、お好みで今回のお酒はこれもウィスキー同様にロックで飲んでも美味しかったです。

今月も、ご馳走様でした!


今回もご紹介させて頂いたfukunomo。もし良ければ、みなさまご一緒に楽しみませんか?
fukunomoは美味しい!楽しい!はもちろんのこと、新型コロナウイルスでの影響から立ち直ろうとする福島県内の酒蔵さんやおつまみの企業さんを応援する一面もあります。ぜひご利用頂ければ幸いです。

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